
では、具体的に記憶法を考えていきましょう。キーワードは「思考に繋がる記憶」でしたね。
生徒に、考えて覚えろというのは簡単ですが、言われた方は何を考えればいいかもわからないし、そもそも人間考えること自体が面倒なものです。
整理記憶
一つ目の記憶理論は、「整理記憶」です。 例えば着たい服が有っても、どこに閉ってあるか分からなければ、すぐに取り出すことが出来ず、あたふたしているうちに学校が始まってしまいます。着たい時すぐに着るためには、日ごろからきちんと整理して収納することです。
記憶も同じです。知識がいくらあっても、それが他の知識と繋がりも持たずばらばらに散らかっていたら、脳はそれをひっぱり出す作業でいっぱいいっぱいです。
試験で問われるのは、その知識をどう使うかなのに、そこまでたどり着けないのです。ですから、なるべく単発知識を減らし、整理して覚える事が大切になるのです。
例えばある項目を勉強するとき、目次を常に横に置いて、確認しながら進めると、今自分は何を勉強していて、同じ単元で他に何を覚えればいいのか、そしてそれは他のどの単元と関連が有るのか、など全体を整理把握しながら学習を進めることが出来ます。
あるいは、歴史上の人物を覚える時に、室町時代の人物にはワンピースのキャラの顔を・鎌倉時代は中学の友達を当てはめる・・という風に人物相関法でグルーピングして映像記憶を残しておけば、白ひげの顔を当てて覚えた千利休がいつの時代の人間かド忘れすることは無くなります。
「今覚えたことは何と関連していることなのか」を常に意識する習慣が出来れば、学習効率は飛躍的に上がります。
二つ目の記憶理論は、「誘引記憶」です。例えばジャガイモ・ニンジン・玉ねぎを見るとカレーが浮かぶように、これを見ると(聞くと、思い浮べると)~が連想されるという状況を記憶の段階で作っておくのです。
学習も、学んだことを勝手に思い出させてしまうような、強力な記憶誘因ツールが有れば、思考は驚くほどスムーズに流れます。また、試験の最大の敵「ド忘れ」も、それぞれを単体で覚えて、思い出すための道具を用意していないから起きるのです。
さらに、学習時の体調や場所、時間、その日あった嬉しかったことや感想も含めた学習日記を付けて感情を勉強と結びつけることも、記憶に有効です。
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